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インスリンを感じない

      2015/12/30

 では、どんな場合に血糖が高くなるのでしょう。大きく分けて二つのタイプがあります。「インスリン依存型糖尿病」と「インスリン非依存型糖尿病」です。
 インスリン依存型糖尿病というのは、膵臓からインスリンが分泌されない、あるいは分泌が少ない。そのためインスリンの量が絶対的に不足して、細胞は糖を取りこめなくなるというものです。
 インスリン依存型糖尿病は、自己免疫疾患の一種と考えられています。つまり、遺伝的素因のある人は、ウイルスや食べ物などの環境因子が引きがねとなって、膵臓のβ細胞を選択的に破壊するTリンパ球が、膵臓に浸潤しだして、その後ゆっくりとしたペースでβ細胞をこわしにかかります。
 そうして年々β細胞の数が減り、ついに残存β細胞数が最初の約10%くらいになってしまうと、インスリンの絶対不足が生じ、インスリン依存型糖尿病を発症すると考えられています。このタイプの糖尿病は、全糖尿病の5~10%とわずかです。もちろんこのタイプの糖尿病の人はインスリンを外から注射で補う必要があります。ときどき5~6歳くらいの小さな子どもが、自分のお腹の皮満をつまみ、慣れた手つきで注射している光景を見かけますが、これもおそらくインスリンを自己注射しているのでしょう。このように、インスリン依存型糖尿病というのは、必ずしも大人がかかるというものではなく、ほとんどが25歳以下(つまり小さな子どもにも)に発症するのです。
 一方、ほとんどの糖尿病(90~95%)はインスリン非依存型糖尿病です。これはインスリンが膵臓から分泌されているにもかかわらず、細胞胞が感じないことによるものです。これを「インスリンの感受性低下」と言います。
 インスリン依存型糖尿病がインスリンの「量不足」と考えるなら、インスリン非依存型糖尿病は細胞にとってのインスリンの「作用不足」と言えるでしょう。
 糖をエネルギー源として細胞が利用するには、インスリンが不可欠です。糖は自由に細胞内に入ることができず、専用の入り口からしか入れません。しかもこの入り口は、いつでも開いているわけではなく、開けるために「インスリン」というカギが必要ですインスリン(カギ)が細胞膜上のインスリンレセプター(カギ穴)にくっついたときにだけ、糖の細胞の入り口が開くのです。だから、当やインスリンが、いくら細胞のまわりにあふれていても、このレセプターが感じなくなっていたら、いつまでたっても糖の細胞への侵入口は開こうとしないのです。

 なぜ細胞がインスリンを感じなくなったのか?それは案外あなた自身のせいかもしれません。暴飲暴食、ストレス、運動不足などが細胞膜に影響を与え、細胞膜の組成をかえ、そして細胞を疲労させている。だからこのタイプの糖尿病の人には医者はまず薬を与えるのではなく、ライフスタイルの見直しという生活指導が治療の第一歩となっているわけです。
 それでも依然、血糖が高い=細胞が糖を利用できない、という場合、いろいろな薬剤が投与されます。代表的な薬剤として、ジメリン、オイグルコン、ダオニール、グリミクロンといったスルホニルウレア剤(SU剤)があります。このSU剤の主な作用は、膵臓のβ細胞にはたらきかけ、インスリンの分泌量を増やすこと。またグルコバイ、ベイスンといったαグルコシダーゼ阻害剤は、腸からの糖の吸収を抑え、食後の急激な血糖の上昇を抑えます。さらにノスカールという薬剤は、インスリンレセプターに作用して、インスリンの感受性を高める作用があると言われています。
 インスリン感受性が悪くなったら、インスリン非依存型糖尿病の発症はもちろんのこと、さまざまな病態への関与が着目されています。一例をあげると、高血圧、高トリグリセライド血症、虚血性心疾患、動脈硬化、肥満など。このようにインスリンの感受性の低下がさまざまな弊害を生むことになるのです。
 
 そこで最近、細胞膜を構成する脂肪酸とインスリンの感受性との関係がクローズアップされてきました。その内容というのは、飽和脂肪酸、リノール酸のとりすぎ、さらにはトランス型脂肪酸がインスリンの感受性を低下させ、逆にγ-リノレン酸、ジホモγ-リノレン酸などの脂肪酸の摂取がインスリン感受性を高めるというものです。そういえばレセプターは柔らかい細胞膜上でふわふわ浮いていると、第1章で書きましたが、インスリンのレセプターがしっかりインスリンの情報をキャッチする。ここでも、やはり脂肪酸がカギを握っているようです。

 - 細胞力