必須脂肪酸 GLA & EPA

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ガンマの油は赤血球をやわらかくして透析患者さんのかゆみ・下肢の血流障害を改善

      2016/02/22

人工透析の患者さんがガンマの油を飲んだら
三ヵ月後にかゆみの程度が半分まで軽快

 いまから約20年前、筑波大学の皮膚科に勤務していたときのことです。私は当時、「血液レオロジー(血液の流動性)とかゆみの関係」について研究をしていました。研究の一環として、人工透析の患者さんに起こりやすいかゆみについて調べていたところ、ある食品をとっている患者さんは、かゆみが少ないことを知ったのです。その食品が、ガンマの油でした。
 ガンマの油に高い関心を持った私は、人工透析を受けている患者さんを対象に試験を行いました。その結果を簡単にまとめると、以下のようになります。

人工透析に伴うかゆみを軽減
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 人工透析を受けている患者さんの中で、かゆみに悩まされている13人(男性11人、女性2人。年齢は34〜71歳。透析歴は9ヵ月〜14年)に、ガンマの油の粒食品を一日六粒飲んでもらいました。飲む前のかゆみの程度を10すると、ガンマの油の粒食品を飲んだ後のかゆみは、1ヵ月後には平均で7.83、2ヵ月後には6.54、3ヵ月後には14.92に改善しました。変化が見られなかった1人を除く12人にかゆみの軽減が見られ、生活の質が向上したのです(右グラフ参照)。
 試験の終了後、ガンマの油の粒食品を継続して飲むことを希望された5人には、計14ヶ月間飲んでもらいました。すると、皮膚に含まれる水分量が増え、かゆみの原因となる乾燥肌の改善が明らかになったのです。

下肢末梢循環障害が回復
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 人工透析を受けている患者さんの中で、かゆみに悩まされている13人(男性11人、女性2人。年齢は34〜71歳。透析歴は9ヵ月〜14年) 糖尿病や腎臓病、特に人工透析を受けている患者さんは、動脈硬化(血管の老化)が顕著で、閉塞性動脈硬化症をはじめとする、下肢循環障害が起こりやすくなります。下肢循環障害が起こると、歩行時に痛みやしびれを感じたり、下肢の潰瘍や壊疽を招くこともあります。壊疽は悪化すると、足の切断を招くこともあるので注意が必要です。
 右の写真をご覧ください。糖尿病性腎不全と診断されていた男性(当時66歳)は、左足の壊疽が進んで、切断を覚悟しなければならないほど状態が悪化していました。この男性がガンマの油の粒食品を一日6粒飲んだところ、2ヵ月後には血流の改善が見られて下肢の皮膚温が上昇。治療効果の向上に伴って足の腫れや痛みが治まるようになり、左足の切断を回避できたのです。

ガンマの油は赤血球や白血球、血小板の細胞膜を壊れにくくし
透析に伴う悩みを軽減させる
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 かゆみや痛み、しびれなど、人工透析の患者さんが直面する悩みにガンマの油が効果的な理由として、先ほど示したような血流の改善が考えられます。
 血流の改善によって、血流の悪化に伴うさまざまな症状が軽快することは、皆さんも想像できると思います。かゆみの改善についてはどうでしょうか。
 人工透析に伴うかゆみの原因には諸説あり、すべてが解明されているわけではありません。原因としては、患者さんの水分制限や透析そのものによって肌の乾燥が促進したり、汗腺が十分に働かなくなったりすることが挙げられています,また、血液がダイアライザー(人工透析の機器)を通過するときに白血球が過剰に刺激を受けて、白血球の中に閉じこまれているかゆみ物質や痛み物質が放出されることも考えられます。
 ガンマの油に含まれるγ-リノレン酸は、私たちのからだを構成している細胞の膜に多く含まれています。腎臓病や糖尿病の患者さんは脂質の代謝異常を起こしやすいため、正しい細胞膜が体内でつくられにくくなっていると考えられます。
 赤血球や白血球など、血球の細胞膜を柔軟にすることは、血流を改善する上で、とても重要です。赤血球の直径は約8ミクロンですが、全身に張り巡らされた毛細血管の直径は6ミクロンしかありません。赤血球には変形能というみずから形を変える力があり、自分の直径よりも細い毛細血管の中を通ることができます。(上図参照)ところが柔軟さを失って変形能が衰えた赤血球は毛細血管の中に入れなくなるため、体のすみずみに酸素や栄養が届かなくなるのです。
 そこで私たちは7人の腎不全の患者さんの赤血球をγの油の粒食品を飲む前後で比較する実験を行いました。その結果、ガンマの油によって赤血球の変形能が向上したことがわかったのです。この実験結果は権威のある腎臓病の学術誌にも掲載されています。
 人工透析を受けている患者さんは、たいしゃの以上かた血小板が固まりやすくなっています。血小板は止血のために欠かせない血液成分ですが、過剰に働くと血流を妨げてしまいます。
 ガンマの油には、血小板の凝集作用を抑える働きがあることも確かめられています。5人の腎臓病の患者さんにガンマの油を飲んでもらったところ、血小板の凝集の改善が認められました。この結果もまた、γ-リノレン酸によって血小板の細胞が安定してことが理由と考えられています。

いいじま・しげるこ
筑波大学医学専門学群卒業。医学博士。同大学付属病院皮膚科、日立総合病院皮膚科、水戸赤十字病院皮膚科部長、筑波大学臨床医学系講師、水戸済生会総合病院皮膚科部長、同病院副院長を歴任して現職。日本皮膚科学会専門医、日本がん治療認定医機構・がん治療認定医。著書に『よみがえれ、あなたの細胞力』(東洋出版)。

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