必須脂肪酸 GLA & EPA

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動脈硬化はこうして起こる

   

 動脈硬化は、加齢にともない必ず生じてくるもので、生まれたときから動脈硬化のプロセスははじまっているといわれるほどです。それでは、動脈硬化がどのように進行していくのか見てみましょう。
 動脈硬化とくに粥状動脈硬化は、血管壁での血管内皮細胞を中心とした細胞群による病的な反応と考えられています。血管には、当然のことながら常に血液が流れています。その血液と直接接しているのが「内皮細胞」。この内皮細胞が常時ストレスにさらされると、慢性的に活性化された状態となり、内皮細胞が炎症反応の口火をきり、動脈硬化へと進展していきます。つまり内皮細胞にとってストレスとなる因子は、すべて動脈硬化の危険因子ということになります。ちなみに、高血圧や高脂血症、糖尿病、高尿酸血症などの物理的要因のみならず、肥満や喫煙、運動不足、ストレスなども危険因子として考えられています。
 痛みや腫れがでる急性炎症の話でも触れましたが、炎症というのは血管内皮を現場とした「内皮細胞と白血球の相互反応に端を発している」と集約することができます。急性炎症の場合は熱、赤み、腫れ、痛みが発生という比較的自分で気づきやすい症状が表われますが、こわいのは、動脈硬化のような内皮細胞の慢性的な炎症反応です。
 急性炎症の場合は、内皮細胞の反応は一時的で、時間がたてば何事もなかったように、内皮細胞はいつもながらの仕事に取り組みます。ところが四六時中、内日細胞にジワジワとストレスを与え続けていたら、内皮制細胞を中心とした血管壁の中で、器質的な、そして非可逆的な反応が起こり、元に戻りたくても戻れない血管障害が形成されるのです。

 いったい内皮細胞は絶え間なく押し寄せるストレスに対して、どんな炎症反応を起こしているのでしょうか?
 内日細胞が慢性的なストレスにさらされ続けると、炎症性サイトカイン(IL-6、IL-1など)を出し続けたり、血液中の白血球呼ぴ寄せて、内皮に接着させる「接着因子」というものを発現します。また、内皮細胞上にたくさんの血小板が集まって、微少な血栓をつくりだしたり、本来ピタッとすき間がないはずの内皮細胞同士の間にわずかなすき間が生じたり、内皮の影響をうけた白血球までがいろいろな物質を放出しだした…と、とんでもないことが内皮上で起こっているのです。
 より順を追って動脈硬化のプロセスを見てみると、本来血液中を流れているはずの単球(白血球の一種)などが、内皮細胞からしきりに発せられる声(炎症性サイトカイン)を聞いて、血管壁に近づいていき、ついには
血管の外=内皮の下に滑り込んでしまいます。やがて内膜に侵入した単球は、もっとはたらきものの(食作用の旺盛な)マクロファージへと変身します。
 一方、LDLコレステロールも内皮細胞の「すき間」から内膜へと侵入して、そこで酸化変性という化学的修飾をうけ、酸化LDLコレステロールとなります。この酸化LDLコレステロールを、マクロファージが破裂するまで食べ続ける。そして破裂したマクロファージをまた別のマクロファージが食べて、そして破裂…という連鎖が生じてきますさらには、中膜を構成しているはずの平滑筋細胞までもが内膜に侵入してきて、本来何かを食べる能力などもち合わせていないのにもかかわらず、内膜にいる、平滑筋細胞は、まるで性格が変わったように、次々と増殖しながらマクロファージ顔負けで酸化LDLコレステロールを食べていきます。
 こうして内膜の中では、侵入してきた細胞と酸化LDLコレステロールを食べすぎて破裂した、無残な細胞の死骸とであふれかえり、どんどん内側へとせり出してしまい、内膜は粥状化しながら肥厚していくのです。このように慢性炎症は、急性炎症と異なり内皮細胞の慢性的な活性化を介して、器質障害まで引き起こしてしまうという特徴をもっています。
 こわい慢性炎症の「動脈硬化」。痛みや腫れで一大事のように騒ぐ人は多いですが、自分で気づかないまま静かに進行していくこの炎症を見過ごしている人も意外に多いようですよ。

 - 細胞力